第一旭(だいいちあさひ)完全ガイド【2026年最新】京都ラーメンの原点・たかばし本店のメニュー・歴史・食べ方・行列攻略

第一旭京都ラーメン

「京都でラーメンと言えば?」──この問いに、地元民もラーメン通も真っ先に名前を挙げる店があります。「本家 第一旭 たかばし本店」1947年(昭和22年)創業、京都駅から徒歩4分の場所で約80年にわたって暖簾を守り続ける京都ラーメンの原点です。白濁させない清湯(チンタン)スープ2回出産を経た希少な国産雌豚「中大貫」のチャーシュー、京都伏見の無添加生醤油──。シンプルなのに奥深い一杯は、隣に並ぶ新福菜館とともに「たかばし」の名で親しまれ、年間約24万人が訪れます。食べログ「百名店 WEST」7年連続選出、ラーメンデータベース京都1位。朝6時から深夜1時まで19時間営業し、早朝から行列が絶えないこの名店の全貌を解き明かします。

この記事でわかること

  • 本家 第一旭 たかばし本店の全メニュー・最新価格と無料カスタマイズ6項目
  • 白濁させない「清湯スープ」の秘密と味の四本柱(スープ・醤油・麺・チャーシュー)
  • おすすめの注文・食べ方・味変テクニック
  • 時間帯別の行列攻略法と京都駅からのアクセス
  • 1947年からの歴史と全国「9系統」に分かれた複雑な系譜
  • 新福菜館とのハシゴ文化と京都ラーメン3大系統
目次

第一旭とは ── 1947年創業・京都駅前で約80年愛される京都ラーメンの原点

本家第一旭たかばし店

基本情報 ── 京都駅徒歩4分、たかばし本店

本家 第一旭 たかばし本店は、京都府京都市下京区東塩小路向畑町845に位置する老舗ラーメン店です。JR京都駅の中央口(烏丸口)から徒歩約4〜5分。駅前の塩小路通を東へ進み、高倉通との交差点付近──JRの跨線橋「たかばし」の付け根にお店があります。隣には新福菜館本店が並んでおり、両店の行列が目印です。営業時間は朝6時〜深夜25時(翌1時)、定休日は木曜日。席数は31席(カウンター3席・テーブル7卓28席)。支払いは食券制で、現金のほかクレジットカード・電子マネー・QRコード決済にも対応しています。専用駐車場は2台分あり、満車の場合は近隣コインパーキングを利用してください。電話番号は075-351-6321、運営は株式会社たかばしです。

項目 内容
店名 本家 第一旭 たかばし本店(ほんけ だいいちあさひ)
住所 〒600-8213 京都府京都市下京区東塩小路向畑町845(Googleマップ
電話番号 075-351-6321
営業時間 6:00〜25:00(翌1:00)
定休日 木曜日
席数 31席(カウンター3席・テーブル7卓28席)
支払い 食券制(現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済対応)
駐車場 専用2台あり(満車の場合は近隣コインパーキング利用)
創業 1947年(昭和22年)
運営会社 株式会社たかばし
公式サイト https://www.honke-daiichiasahi.com/

年間約24万人 ── 観光客から地元民まで愛される理由

第一旭たかばし本店を訪れる客は年間約24万人。京都駅から徒歩4分という立地もあり、京都観光の「最初の一杯」として訪れる観光客が多い一方、何十年と通い続ける地元の常連客も少なくありません。その幅広い客層を惹きつける理由は、「あっさりに見えて奥深い」スープの完成度にあります。博多ラーメンのような重厚な豚骨とも、東京ラーメンのようなキレのある醤油とも違う、清湯豚骨醤油という独自のポジション。初めて食べる人には「想像していたより軽やか」と驚かれ、何度も通ううちに「このシンプルさの中に計算された奥行きがある」と気づかされる。4代目社長の森田孝祐氏はメディア取材で「お客さまの半分は観光客、半分は地元の方」と語っており、この比率こそが第一旭の「万人に愛される味」を象徴しています。

「たかばし」の由来 ── 人名ではなく地名

「たかばし」と聞くと人名を連想する方もいますが、実は地名です。京都駅の東寄りに架かるJRの高倉跨線橋(たかくらこせんきょう)の通称が「たかばし」であり、本家第一旭本店はまさにその橋の付け根付近に位置しています。運営会社名も「株式会社たかばし」。この橋のたもとに新福菜館と第一旭が隣同士で並んでいることから、このエリア一帯が「たかばし」と呼ばれるようになりました。京都のラーメン通が「たかばし行く?」と言えば、それは第一旭か新福菜館(または両方)を指す暗黙の合言葉です。「たかばし」という言葉自体が京都ラーメン文化の象徴となっており、京都駅周辺のラーメン聖地の代名詞として全国に知られています。

朝6時〜深夜1時の19時間営業 ── 京都最長クラスの営業時間

第一旭の早朝営業は1947年の創業時から続く伝統です。当時、京都駅前で始発前に出勤する国鉄駅員をターゲットに早朝営業を開始したのが始まり。現在は朝6時オープン〜深夜25時(翌1時)閉店の計19時間営業で、ラーメン店としては異例の長さです。早朝のお客さんは夜勤明けの常連客、夜行バスで京都に到着した観光客、出張ビジネスマンなど。4代目の森田孝祐氏は「ここ数年『朝ラー』が浸透してきたこともあり、朝のお客さまが一段と増えました」と語っています。京都観光の朝一番に、まず第一旭でラーメンを食べてから観光に出かける──そんなスタイルが定着しつつあります。清湯スープのあっさり感は朝の胃にも優しく、「朝食にラーメン」というハードルを下げてくれる存在です。

食べログ百名店 WEST 7年連続選出 ── 各サイトの評価

第一旭は主要グルメサイトで軒並み高評価を獲得しています。食べログ3.74(口コミ約6,362件)で、「ラーメン百名店 WEST」に7年連続選出という偉業を達成。ラーメンデータベースでは94.532点(レビュー445件)で京都1位の座を獲得しています。Retty4.2(口コミ883件、おすすめ度84%)、じゃらんnetでも4.2(口コミ380件、味:4.3/ご当地感:4.1)。特筆すべきはレビュー件数の多さで、食べログの6,362件は京都のラーメン店として圧倒的。「約80年のブランド力」と「観光地・京都駅前の立地」が重なり、日本で最も口コミが集まるラーメン店の一つです。これだけの件数で3.74を維持しているのは、味の安定感と満足度の高さの証明と言えるでしょう。

サイト 評価
食べログ 3.74(口コミ約6,362件)── ラーメン百名店 WEST 2025 選出(7年連続)
ラーメンデータベース 94.532点(レビュー445件)── 京都1位
Retty 4.2(口コミ883件)── おすすめ度84%
じゃらんnet 4.2(口コミ380件)── 味:4.3 / ご当地感:4.1

全メニュー・最新価格一覧【2026年最新】

本家第一旭のメニュー

ラーメン各種 ── 基本の980円から特製1,230円まで

第一旭のメニューはシンプルです。基本のラーメン980円。麺約150g、チャーシュー、九条ネギ、もやしという構成で、約80年続く味の真髄を堪能できます。人気No.1の特製ラーメン1,230円──麺が約200g(通常の約1.3倍)に増量され、チャーシューもたっぷり。実質「大盛りチャーシューメン」であり、初訪問者にもっともおすすめしたいメニューです。チャーシューの量をさらに増やしたい方はチャーシュー麺(1,180円)、メンマ好きにはメンマラーメン(1,130円)。新福菜館とのハシゴを予定している場合や小食の方にはミニラーメン(830円)が便利です。高校生以下は学割ラーメン(830円)が利用可能で、修学旅行の学生グループにも人気。肉が食べられない方向けに肉なし(野菜入)ラーメン(880円)も用意されています。

メニュー 価格(税込) 内容
ラーメン 980円 基本の一杯。麺約150g
特製ラーメン(人気No.1) 1,230円 麺約200g+チャーシュー増量。実質「大盛りチャーシューメン」
チャーシュー麺 1,180円 チャーシュー増量
メンマラーメン 1,130円 メンマ追加
ミニラーメン 830円 少なめサイズ。ハシゴや小食の方に
学割ラーメン 830円 高校生以下対象
肉なし(野菜入)ラーメン 880円 チャーシューなし・野菜入り

サイドメニュー ── 餃子350円と焼豚910円

サイドメニューもラーメンと同様、シンプルなラインナップです。餃子(350円・6個)は常連客からも「ラーメンと必ず頼む」と評判の一品で、パリッとした焼き目とジューシーな餡のバランスが秀逸。焼豚(910円)はチャーシューを一皿分盛りつけた「付だし・おつまみ」で、ラーメンのチャーシューを単体でじっくり味わいたい方や、ビールのアテにも最適です。肉多め(+250円)はトッピングとしてチャーシューをさらに増量する注文。ご飯はライス大(250円)とライス小(200円)があり、チャーシューとライスの組み合わせは家系ラーメンの海苔巻きとはまた違った素朴な旨さがあります。メンマ一皿(300円)、キムチ(300円)も用意されており、ラーメンの味変アイテムとしても重宝します。

メニュー 価格
肉多め(トッピング) +250円
焼豚(付だし・おつまみ) 910円
メンマ一皿 300円
餃子(6個) 350円
ライス(大) 250円
ライス(小) 200円
キムチ 300円

テイクアウト・通販 ── 自宅でも第一旭の味を

「京都まで行けないけど第一旭の味を楽しみたい」という方のために、テイクアウトと通販が用意されています。店舗での生お持ち帰りラーメン930円で、麺とスープを別々に持ち帰り、自宅で茹でて仕上げるスタイル。チャーシューやネギも付属しており、店舗の味にかなり近い仕上がりになると好評です。通販はお取り寄せ生ラーメンとして、4人前(5,300円)6人前(7,600円)8人前(9,700円)の3サイズ展開。公式サイトから注文可能で、冷蔵便で届きます。1人前あたり約1,200〜1,325円と店舗価格より少し高めですが、全国どこでも京都駅前の味を楽しめるのは大きな魅力。お土産やギフトとしても人気があり、京都旅行のリピーターからは「帰宅後にあの味が恋しくなったらすぐ注文できる」と重宝されています。

メニュー 価格
生お持ち帰りラーメン 930円
お取り寄せ生ラーメン(4人前) 5,300円
お取り寄せ生ラーメン(6人前) 7,600円
お取り寄せ生ラーメン(8人前) 9,700円

無料カスタマイズ6項目 ── ネギ大盛・チャーシュー赤白指定

本家第一旭の頼み方

第一旭の大きな魅力の一つが、6項目の無料カスタマイズです。食券購入後、着席時にスタッフへ伝えるだけ。特に覚えておきたいのがネギ大盛りもやし大盛り──どちらも無料で増量できます。京都の伝統野菜・九条ネギがたっぷり乗った一杯は見た目のインパクトも抜群で、ネギ好きなら注文しない理由がありません。もう一つユニークなのがチャーシューの部位指定。「」と言えば赤身中心、「」と言えば脂身中心のチャーシューが盛られます。麺の硬さ(硬め/普通/柔らかめ)、スープの脂(脂っこめ/さっぱりめ)、醤油の濃さ(濃いめ/薄いめ)も調整可能。初訪問は基本すべて「普通」で頼み、ネギ大盛りだけは忘れずにコールするのが鉄板です。

📌 無料カスタマイズ一覧(着席時にスタッフへ)

項目 選択肢 初訪問おすすめ
麺の硬さ 硬め / 普通 / 柔らかめ 普通
スープの脂 脂っこめ / さっぱりめ 普通
醤油の濃さ 濃いめ / 薄いめ 普通
チャーシュー部位 赤身(赤)/ 脂身(白) 赤が定番
ネギ大盛 無料で増量可能 おすすめ!
もやし大盛 無料で増量可能 お好みで

学割ラーメン830円 ── 修学旅行生にも人気の特典

高校生以下が対象の学割ラーメン830円。通常のラーメン(980円)と比べて150円安く、内容は通常のラーメンとほぼ同等という太っ腹な設定です。京都は修学旅行の定番地であり、学生グループが「京都の本格ラーメンを食べてみたい」と訪れるケースも多い。学割の存在は「若い世代にも第一旭の味を知ってほしい」という店の姿勢の表れでしょう。学生証の提示を求められる場合があるため、念のため持参を。なお、大学生は対象外のためご注意ください。学割ラーメンでもネギ大盛り・もやし大盛りなどの無料カスタマイズは通常通り利用可能。修学旅行で京都を訪れた際に初めて食べ、大人になってから「あの味が忘れられない」と再訪するリピーターも少なくありません。第一旭にとって学割は単なる値引きではなく、未来の常連客への投資とも言える制度です。

味の四本柱 ── 清湯スープ・醤油・麺・チャーシューを徹底解剖

清湯(チンタン)スープ ── 白濁させない豚骨出汁の技

本家第一旭のスープ

第一旭のスープは、博多ラーメンのような白濁した「白湯(パイタン)」ではなく、豚骨を白く濁る前に引き上げて取る「清湯(チンタン)」が最大の特徴です。国産豚骨100%から炊き出した出汁を使用し、白濁する前の一瞬だけ取れる旨味を活かす繊細な製法。渋味・臭みが出る前の状態のため、ニンニクや野菜などの臭い消しを一切使わないという潔さです。見た目はあっさりした薄い琥珀色ですが、一口飲むと豚骨由来の深いコクが広がり、「あっさりなのにコクがある」という一見矛盾した感覚に驚かされます。口コミでは「動物系の旨味とキレのある醤油、奥にうっすらとした甘味の余韻」と表現されることが多く、飲み干しても胃にもたれない軽やかさが特徴です。

🍜 ラーメン通の豆知識
ラーメンスープは大きく「清湯(チンタン)」「白湯(パイタン)」に分かれます。白湯は豚骨をグラグラ長時間炊いて骨の髄まで溶かし出す白濁スープ(博多ラーメンが代表)。清湯は沸騰させずに丁寧にアクを取りながら炊く澄んだスープ。第一旭の清湯は「白濁する直前」のタイミングで仕上げるという独自の技法で、清湯の繊細さと豚骨の力強さを両立させています。

京都伏見の無添加生醤油 ── 時間とともに熟成するカエシ

スープの味を決定づけるもう一つの柱が醤油ダレ(カエシ)です。第一旭が使用するのは京都伏見の老舗醸造所から仕入れた無添加の生醤油。「生」とは加熱処理をしていない醤油のことで、酵素が生きたまま残っているため、時間とともに熟成が進み、奥深い味わいに変化する特性があります。一般的な加熱処理済みの醤油と比べて香りが繊細で、豚骨清湯の澄んだ味わいを邪魔しない。京都・伏見は日本有数の醤油醸造の名産地で、良質な地下水と温暖な気候が発酵に適した環境を生んでいます。第一旭のスープが「シンプルなのに奥深い」と評される理由の一端は、この生醤油にあると言えるでしょう。卓上には「ラーメンたれ」(追加の醤油ダレ)も置かれており、味を濃くしたい場合に後から足すことも可能です。

近藤製麺の中太ストレート ── 新福菜館と同じ製麺所の特注麺

麺は京都の老舗「近藤製麺所」製の特注麺を使用しています。興味深いのは、隣の新福菜館も同じ近藤製麺所の麺を使っていること。ただし配合は各店で異なり、第一旭の麺は中太のストレート。厳選された小麦粉を複数ブレンドし、原材料は小麦粉・少量の塩・かん水のみというシンプルな構成です。コシがあり歯切れが良く、スルスルと喉を通る食感が特徴。清湯スープとの相性が計算されており、麺とスープが一体となった味わいを楽しめます。近藤製麺所は京都ラーメンの歴史とともに歩んできた製麺所で、「たかばし」の2軒を支えるという意味で、京都ラーメン文化の屋台骨とも呼べる存在です。口コミでは「博多の細麺でも喜多方の太縮れ麺でもない、京都らしい中庸の麺」と評される声もあります。

「中大貫」の国産雌豚チャーシュー ── 2回出産を経た希少な豚

第一旭のチャーシューは、一般的なラーメン店とは一線を画す素材選びが光ります。使用するのは2回出産を経験した体重約120kgの国産雌豚「中大貫(ちゅうだいかん)」。通常のラーメン店では若い豚(未経産豚)が使われることが多い中、第一旭はあえてこの希少な中大貫にこだわっています。2回の出産を経た雌豚は脂肪分が少なく、赤身に旨味が凝縮されているのが特徴。この上品な脂の甘味と赤身の旨味が、澄んだ清湯スープの中で際立ちます。注文時に「赤身(赤)」か「脂身(白)」を無料で指定できるのも第一旭ならでは。「赤」は赤身中心のさっぱりした味わい、「白」は脂身の甘みを楽しめるタイプ。初訪問は「」が定番で、リピート時に「白」を試すのがおすすめです。

⚠️ よくある誤解
「中大貫」は豚の品種名ではなく、2回出産を経験した雌豚の業界用語です。未経産(0回出産)を「素豚」、1回出産を「小貫」、2回出産を「中大貫」と呼びます。出産回数が増えるほど脂肪が落ちて赤身が引き締まるため、あっさり系の清湯スープとの相性が良い一方、流通量が少なく仕入れコストも高い希少な素材です。

京都の伝統野菜・九条ネギ ── 無料大盛が第一旭の流儀

第一旭の一杯を彩るのが京都の伝統野菜・九条ネギです。一般的な白ネギ(根深ネギ)とは異なり、九条ネギは葉ネギの一種で、緑色の葉の部分を食用とします。葉の内側に含まれる「ぬめり」には独特の甘みがあり、香り高くシャキシャキとした食感が清湯スープの繊細な味わいを引き立てます。旬は冬場(11月〜2月頃)で、霜が降りる時期に糖度が増して最高の状態に。つまり、真冬の京都で食べる第一旭は、九条ネギの面でも「旬の一杯」なのです。ネギ大盛りは無料なので、遠慮なく注文するのが第一旭の流儀。もう一つの無料大盛である緑豆もやしも糖度が高くシャキシャキで、ネギとともにスープのアクセントとなります。ネギ大盛・もやし大盛の「ダブル大盛」にすると、丼の上が緑と白で埋め尽くされる圧巻のビジュアルになります。

おすすめの食べ方と味変テクニック

初訪問おすすめ ── 特製ラーメン+ネギ大盛りの黄金コンビ

初めて第一旭を訪れるなら、「特製ラーメン」(1,230円)+ネギ大盛り(無料)が鉄板の注文です。特製ラーメンは麺約200g+チャーシュー増量で、第一旭の魅力を一度に堪能できる看板メニュー。通常のラーメンと特製の価格差は250円ですが、麺量の増加とチャーシューの増量を考えると圧倒的にお得で、実際に店でも特製が一番人気です。カスタマイズは初訪問では「麺の硬さ・脂・醤油すべて普通」で注文し、まずは店が意図した基本バランスを味わうのがベスト。ただしネギ大盛りだけは忘れずにコールしてください。九条ネギの香りと甘みが加わることでスープの奥行きが一段増し、「これが第一旭の完成形」と感じられるはずです。チャーシューは初訪問なら「」(赤身中心)が清湯スープとの相性を最もダイレクトに味わえます。

常連の王道注文 ── 「特製・ネギ多め・麺硬め・赤」

第一旭の常連客に最も多い注文パターンは「特製ラーメン・ネギ多め・麺硬め・チャーシュー赤」です。麺の硬さを「硬め」にすることでコシが強まり、スルスルとした食感がさらに際立つ。「ネギ多め」は常連の間ではもはや標準装備。「赤」のチャーシューは脂が少ないため清湯スープの味を濁さず、最後まであっさり食べられるのが支持される理由です。さらに通な楽しみ方として、餃子(350円)をサイドに頼む常連も多い。「ラーメンと餃子で1,580円。この値段で京都ラーメンの原点を堪能できるのはお値打ち」という声も。リピーターの中には「白」のチャーシューを好む方もおり、脂身の甘みが清湯スープにほのかなコクを加えるのが楽しみだとか。2杯目以降は「脂っこめ」「醤油濃いめ」などの冒険もアリで、カスタマイズの幅が広いぶん何度通っても新しい発見があります。

卓上調味料ガイド ── 豆板醤・ニンニク・ラーメンたれ

第一旭の卓上には5種類の調味料が用意されています。豆板醤は中盤以降に少量加えると、発酵由来のコクと辛味がスープに奥行きを与えます。おろしにんにくは清湯スープの繊細さを一変させるパンチ力があるため、入れすぎ注意。ほんの少量でスープの表情がガラリと変わります。一味唐辛子はストレートな辛味でピリッとしたアクセントに。ラーメンたれは追加の醤油ダレで、味を濃くしたい場合に数滴加えます。清湯スープは味のバランスが絶妙に計算されているため、これらの調味料は「後半の味変」として使うのが正解。前半から大量に入れてしまうと、約80年かけて磨き上げられたスープの繊細さを台無しにしてしまいます。コショウは豚骨スープとの相性が良く、終盤にひと振りすると風味がリフレッシュされます。

📌 第一旭の正しい食べ方

  1. まず何も加えずにスープを一口 → 清湯の繊細な旨味を記憶する
  2. 麺をすする → 近藤製麺の中太ストレートとスープの一体感を味わう
  3. チャーシューを食べる → 「中大貫」の赤身の旨味を確認
  4. 九条ネギとともに食べ進める → ネギの甘みがスープの奥行きを広げる
  5. 中盤以降に好みで味変 → 豆板醤やニンニクを少量ずつ
  6. スープを飲み干す → 清湯スープは完飲しても胃にもたれにくい

食べ進め方のコツ ── 清湯スープは「後半に真価を発揮する」

第一旭のスープは、食べ始めと食べ終わりで味の印象が変わるのが面白い特徴です。最初の一口は「あっさりしているな」と感じる方が多いのですが、食べ進めるうちにチャーシューの旨味やネギの甘みがスープに溶け出し、後半になるほど味に厚みが増していく。これは清湯スープならではの現象で、白湯スープのように最初からすべての旨味が溶けているタイプとは異なる味の構造です。そのため、味変調味料は前半には加えず、後半に少しずつが鉄則。ニンニクや豆板醤を序盤から入れてしまうと、清湯の繊細さが消えてしまいます。口コミで「シンプルだが奥深い」「飲み干すと豚骨の旨味がしっかり広がる」と評される所以は、この「後半に真価を発揮する」味設計にあります。第一旭は急いで食べるよりも、一口一口の味の変化を楽しみながら食べるのが最も美味しい食べ方です。

行列攻略法 ── 時間帯別の混雑と京都駅からのアクセス

入店から退店の流れ ── 食券を先に買うのがコツ

第一旭の入店手順は、行列に並ぶ前にまず店内入口の券売機で食券を購入するのがポイントです。食券を持っていれば着席後すぐにカスタマイズを伝えて提供を受けられるため、回転が圧倒的に速くなります。行列がある場合は食券を購入してから店舗南側(新福菜館側)の列に並びます。京都駅の中央口(烏丸口)を出て塩小路通を東へ進み、高倉通との交差点付近にお店があります。隣の新福菜館の行列と間違えないよう注意してください。着席後はスタッフにカスタマイズ(麺の硬さ・脂・醤油・チャーシュー部位・ネギ大盛・もやし大盛)を伝えます。提供は非常に速く、メニューがシンプルなため回転率はラーメン店の中でもトップクラス。31席という家系ラーメンの大型店に匹敵する席数もあり、見た目ほど長くは待たないことが多いです。

時間帯別混雑マップ ── 狙い目は午前9〜10時

本家第一旭の混雑時間

朝6時から深夜1時まで19時間営業する第一旭は、時間帯によって混雑状況が大きく変わります。結論から言えば、午前9〜10時が最も空いている時間帯です。早朝の朝ラー客と昼のピークの間にあたるこの時間帯は「穴場」として常連の間でも知られています。もう一つ比較的空いているのが平日の14〜16時。逆に最も避けたいのは金曜・土曜・祝日前の夜で、30分〜1時間超の待ちを覚悟する必要があります。昼の12〜13時と夜の18〜21時もそれぞれ20〜40分待ちが目安。ただし第一旭は31席と座席数が多く回転も速いため、行列の人数ほどは待たないのが特徴です。30人並んでいても50分程度で入れることが多いと言われています。

時間帯 混雑度 待ち時間の目安
早朝 6:00〜7:00 やや混雑 0〜20分
朝 7:00〜9:00 増加傾向 10〜30分
午前 9:00〜10:00 比較的空いている(狙い目) 短い
昼 12:00〜13:00 混雑 20〜40分
午後 14:00〜16:00 やや混雑 10〜20分
夜 18:00〜21:00 混雑 20〜40分
金土祝前の夜 非常に混雑(最も混む) 30分〜1時間超

行列を避ける5つのコツ

第一旭をできるだけ短い待ち時間で楽しむためのコツを整理します。第一に、午前9〜10時を狙う。朝ラー客の波が引き、昼のピーク前のゴールデンタイムです。第二に、平日を選ぶ。休日(特に土曜)は観光客で混雑するため、平日は圧倒的に空いています。第三に、金・土・祝日前の夜は避ける。1時間待ちも珍しくない最も混む時間帯です。第四に、水曜日は要注意──隣の新福菜館が水曜定休のため、ハシゴ目的の客が第一旭に集中する傾向があります。逆に第一旭の定休日である木曜日は新福菜館が混みます。第五に、食券を先に購入しておく。行列に並ぶ前に券売機で食券を買っておけば、着席後すぐに提供を受けられます。なお、材料切れで早仕舞いする場合もあるため、確実に食べたい場合は事前に電話(075-351-6321)で営業状況を確認するのが安心です。

京都駅からの行き方 ── 中央口から徒歩4分

第一旭たかばし本店へのアクセスはJR京都駅の中央口(烏丸口)から徒歩約4〜5分が最もシンプルです。中央口を出たら目の前の塩小路通を東方向へまっすぐ進みます。高倉通との交差点付近、JRの跨線橋「たかばし」の付け根にお店があり、隣に「新福菜館本店」が並んでいるので行列が目印になります。近鉄京都駅からはやや遠く徒歩約7分。車の場合は専用駐車場が2台分ありますが、ピーク時は満車のため近隣コインパーキングの利用が現実的です。京都駅は新幹線・JR・近鉄・地下鉄・バスが集まる交通の要衝のため、全国どこからでもアクセスしやすいのが第一旭の大きな強み。新幹線を降りてホテルにチェックインする前に一杯──という使い方が、まさに第一旭の立地を活かした京都ラーメン体験です。

出発地 距離 所要時間
JR京都駅 中央口(烏丸口) 約330m 徒歩約4〜5分
近鉄京都駅 やや遠い 徒歩約7分

1947年からの歴史 ── 旭食堂から本家第一旭へ、80年の軌跡

本家第一旭の歴史

創業者・田口有司と「旭食堂」の誕生(1947年)

第一旭の歴史は、1938年にまで遡ります。この年、中国浙江省出身の徐永俤氏が京都駅前で屋台を開業──これが後の新福菜館です。その土地の地主が田口有司氏でした。田口氏は新福菜館を手伝いながらラーメンの作り方を習得。1947年(昭和22年)、戦後間もない京都駅前に大衆食堂「旭食堂」を開業します。当時のメニューはカレーやハンバーグなど洋食が中心でしたが、ラーメンだけが突出して人気を博しました。創業当時から始発前に出勤する国鉄駅員をターゲットに早朝営業を行っていたのは、京都駅前の立地を活かした先見の明と言えるでしょう。新福菜館の屋台を手伝いながら学んだ技術と、独自の創意工夫。この二つが融合して「旭食堂」のラーメンは生まれました。

「第一旭」への改名とラーメン専門店への転向(1956年)

旭食堂のラーメン人気は年を追うごとに高まり、1956年、田口氏は屋号を「第一旭」に改め、ラーメン専門店へと転向します。洋食メニューを捨て、ラーメン一本に絞るという決断は当時としてはリスクの大きい選択でしたが、結果的にこれが京都ラーメンの歴史を動かすことになります。「第一旭」という屋号には「京都で一番(第一)の朝日(旭)のように輝く店でありたい」という願いが込められていたとされています。専門店化により味の追求はさらに加速し、国産豚骨100%の清湯スープ、無添加生醤油の使用、そして後に「中大貫」と呼ばれる希少な雌豚のチャーシューなど、現在の第一旭の味の骨格がこの時期に確立されました。新福菜館が真っ黒な「京都ブラック」の方向に進化する一方、第一旭は澄んだ清湯の道を歩む──両店の個性が明確に分かれたのもこの時期です。

フランチャイズ100店舗超の栄光と1997年の倒産

第一旭の名声が高まるにつれ、のれん分けやフランチャイズ(FC)による展開が始まります。1977年に佃栄子氏が二代目店主に就任し「本家 第一旭」として再出発。1986年には佃栄子氏の弟・佃功氏が株式会社第一旭を設立し、本格的なFC展開を開始しました。最盛期には100店舗を超えるチェーンにまで拡大し、京都を中心に「第一旭」の看板は全国に広がります。しかし、1997年にFC本部(株式会社第二旭)が倒産。バブル崩壊後の経済低迷と急速な拡大のひずみが重なり、100店舗超のチェーンは崩壊しました。倒産後も各地の加盟店は独立営業を続ける道を選び、これが後の「9系統」に分かれる複雑な系譜の発端となったのです。

📅 第一旭の歴史年表

  • 1938年:徐永俤氏が京都駅前で屋台を開業(後の新福菜館)。土地の地主が田口有司氏
  • 1947年:田口有司氏が大衆食堂「旭食堂」を開業。ラーメンが突出して人気に
  • 1956年:屋号を「第一旭」に改め、ラーメン専門店に転向
  • 1971年:創業者の三男・田口隆弘氏が神戸で「神戸ラーメン 第一旭」を独立開業
  • 1977年:佃栄子氏が二代目店主に就任。「本家 第一旭」として再出発
  • 1986年:佃功氏がFC展開を本格化。最盛期100店舗超に
  • 1989年:創業者・田口有司氏(松本有司)死去
  • 1997年:FC本部(株式会社第二旭)が倒産。チェーン崩壊
  • 2010年:森田孝士氏が三代目代表就任。屋号を「本家 第一旭」に
  • 2020年頃:森田孝祐氏が四代目社長に就任
  • 2024年:京都市内初の直営支店「烏丸店」をオープン
  • 2025年:大阪初出店「天満店」をオープン

「本家」としての再出発 ── 三代目・四代目への継承

FC崩壊後、たかばし本店は「本家 第一旭」としてのアイデンティティを明確にしていきます。2010年森田孝士氏が三代目代表に就任し、屋号を正式に「本家 第一旭」と定めました。運営会社も株式会社たかばしとして、FC本部とは完全に独立した経営体制を確立。創業者・田口有司氏から直接受け継がれた味──清湯スープ、無添加生醤油、中大貫のチャーシュー──を忠実に守りながら、食券制の導入やキャッシュレス決済への対応など、現代の客のニーズに合わせた運営改革も進めました。2020年頃には森田孝祐氏が四代目社長に就任。「変えてはいけないもの」と「変えるべきもの」を見極めながら、約80年の味を次の世代へつなぐ役割を担っています。

烏丸店・天満店 ── 4代目の新たな挑戦(2024-2025年)

四代目・森田孝祐氏の就任以降、第一旭は積極的な店舗展開を進めています。2024年には京都市内初の直営支店「烏丸店」をオープン。京都市中京区蛸薬師通り室町西入にあり、営業時間は8:00〜22:30、年中無休、30席。たかばし本店とは異なる立地で、四条烏丸エリアの観光客やビジネスマンを取り込んでいます。2025年にはついに大阪初出店となる「天満店」をオープン。大阪市北区天神橋5-8-8に位置し、営業時間は10:00〜24:30、木曜定休、20席。天満は大阪屈指のグルメタウンであり、激戦区に乗り込む形での出店は「本家の味への自信」の表れと言えるでしょう。加えて東京には新宿店神保町店の2店舗があり、直営は全国5店舗体制に。FC崩壊から約30年、慎重に直営で店舗を増やすスタイルは、かつての反省を活かした堅実な戦略です。

店舗名 住所 営業時間 定休日 席数
たかばし本店 京都市下京区東塩小路向畑町845 6:00〜25:00 木曜 31席
烏丸店(2024年開店) 京都市中京区蛸薬師通り室町西入姥柳町190-1 8:00〜22:30 なし 30席
天満店(2025年開店) 大阪市北区天神橋5-8-8 10:00〜24:30 木曜 20席
新宿店 東京都新宿区新宿1-13-7 東宝ビル1F 11:00〜22:00(日曜17:00まで) なし 10席
神保町店 東京都千代田区神田神保町2-48-2 11:00〜23:00(日曜18:00まで) 年末年始 28席

「第一旭」9系統の全貌 ── 本家・神戸系・旧FC残存店の見分け方

本家第一旭の家系図・系譜

なぜ9系統もあるのか ── 分裂の歴史的背景

「第一旭」を名乗るラーメン店は全国に多数存在し、大きく分けて約9系統に分かれています。4代目の森田孝祐氏自身も「9系統ある」と公言しています。なぜこれほど多くの系統が生まれたのか──その原因は大きく3つ。第一に、創業者・田口有司氏の息子たちが各地で独立開業した「血縁系」の分裂。三男が神戸で開いた「神戸ラーメン 第一旭」、長男が鳥取で開いた「元祖 第一旭」、次男が愛知で開いた「尾張ラーメン 第一旭」がこれにあたります。第二に、1986年以降のFC展開で全国に広がった加盟店が、1997年のFC本部倒産後も「第一旭」の屋号で独立営業を続けたケース。第三に、暖簾分けや独立開業で派生した「たかばしラーメン」「広瀬家系」などの地域系統。これらが複雑に絡み合い、現在の「9系統」が形成されています。

主な系統一覧と特徴

9系統の全貌を把握するのは第一旭マニアでも難しいところですが、主な系統とその特徴を整理すると以下のようになります。本家(株式会社たかばし)は創業者の味を直接引き継ぐ正統系で、清湯スープが特徴。旧FC残存店は「特製ラーメン 第一旭」の名で京都府内を中心に営業を続ける店舗群で、黄色いテント看板が目印です。神戸系は創業者の三男・田口隆弘氏が1971年に独立開業した系統で、深夜営業が特徴。鳥取系は長男・大森髙男氏が開いた「元祖 第一旭」(現・大ちゃんラーメン)。尾張系は次男・高山安弘氏の系統で自家製麺が特徴。広瀬家系は京都北部〜兵庫北部で展開し、鶏ガラ+背脂スタイル。久津川系は1967年創業の歴史ある支店で本店より濃い動物系スープ。たかばし系は旧直営店の一部。龍谷大横系は学生向けメニューが充実した伏見区の店舗です。

系統 正式名称 エリア 特徴
本家 本家 第一旭(株式会社たかばし) 京都・東京・大阪 創業者から直接味を引き継ぐ正統系。清湯スープ。直営5店舗
旧FC残存店 特製ラーメン 第一旭 京都府内中心 1997年のFC倒産後も独立営業。黄色いテントが目印
神戸系 神戸ラーメン 第一旭 神戸市内4店舗 三男・田口隆弘氏が1971年に独立。深夜営業が特徴
鳥取系 元祖 第一旭(現・大ちゃんラーメン) 鳥取県 長男・大森髙男氏が開業
尾張系 尾張ラーメン 第一旭 愛知県一宮市 次男・高山安弘氏が開業。自家製麺
広瀬家系 総本家広瀬家 特製ラーメン 第一旭 京都北部〜兵庫北部 鶏ガラ+背脂スタイル
久津川系 本家 第一旭たかばし 久津川店 京都府城陽市 1967年創業。本店より濃い動物系スープ
たかばし系 たかばしラーメン 京都府内 旧直営店がクーデションカンパニー傘下に
龍谷大横系 元祖京都 第一旭 龍谷大横店 京都市伏見区 背脂多め。学生向けメニュー充実

本家直営5店舗の見分け方 ── 看板とスープの色がヒント

「第一旭」の看板を見つけても、それが本家直営なのか旧FC店なのかわからない──という混乱は第一旭あるあるです。見分け方のポイントは看板の色とスープの色にあります。本家直営(株式会社たかばし)は「本家 第一旭」という表記で、白と赤を基調とした看板。スープは澄んだ琥珀色の清湯です。一方、旧FC残存店は「特製ラーメン 第一旭」という表記で、黄色いテント看板が目印。スープの方向性も各店で異なり、本家よりも濁りがあるタイプや背脂を加えるタイプなど様々です。神戸系は「神戸ラーメン 第一旭」と明記されており判別は容易。旅行先で「第一旭」を見かけた際は、まず看板の表記と色を確認するだけで、どの系統かおおよそ判別できます。

⚠️ 間違えやすいポイント
京都市内だけでも複数の「第一旭」が存在します。京都駅たかばしの「本家 第一旭」と、京都府内各地の「特製ラーメン 第一旭」は別系統です。Googleマップで「第一旭」と検索すると旧FC店がヒットすることも多いため、たかばし本店を目指す場合は「本家 第一旭 たかばし」で検索するのが確実です。

「アキラ系」── 京都ラーメン文化の基盤を築いた系譜

第一旭のFC展開とその後の分裂を総称して、京都ラーメン業界では「アキラ系」と呼ぶことがあります。「旭」を「アキラ」と読むことに由来するこの呼称は、最盛期100店舗超にまで広がった第一旭系列の総称として使われます。アキラ系のスタイル──清湯ベースの豚骨醤油+ストレート麺+たっぷりのチャーシュー──は、京都ラーメンの一つの型として定着し、後続の店にも影響を与えました。1997年のFC崩壊後、各地のアキラ系は独自の進化を遂げます。背脂を加える店、スープを濃くする店、自家製麺に切り替える店──本家の清湯からは離れていくケースも多いのですが、「ストレート麺にたっぷりのチャーシュー」という基本形は共通しています。アキラ系の広がりがなければ、京都ラーメンの全国的な知名度はここまで高まらなかったかもしれません。本家とFC、光と影の歴史が「アキラ系」という言葉に凝縮されています。

新福菜館とのハシゴ文化と京都ラーメン3大系統

新福菜館との歴史的つながり ── 土地の地主とラーメン修行

第一旭と新福菜館は文字通り隣同士に並ぶ、京都ラーメンの「二大聖地」です。その関係は創業前にまで遡ります。新福菜館の創業者・徐永俤氏が1938年に京都駅前で屋台を開業した際、その土地を所有していたのが第一旭の創業者・田口有司氏。田口氏は地主として新福菜館の屋台と縁があり、手伝いをしながらラーメンの作り方を習得しました。1947年に隣で「旭食堂」を開業したのは、いわばこの「師弟関係」の延長線上にあります。現在でも両店は同じ「近藤製麺所」の麺を使用するなど共通点がある一方、スープの方向性は大きく異なります。醤油は別々の醸造所から仕入れており、第一旭は伏見の無添加生醤油、新福菜館は濃口醤油を使用。「たかばし」の2軒が京都ラーメンの両輪として約80年共存してきた事実は、日本のラーメン史における稀有なエピソードです。

味の違い比較 ── 清湯の第一旭 vs 京都ブラックの新福菜館

隣同士に並ぶ2軒の味は、見た目からして対照的です。第一旭のスープは澄んだ琥珀色の清湯、新福菜館のスープは真っ黒な「京都ブラック」。第一旭が豚骨清湯+生醤油のあっさり系なら、新福菜館は鶏ガラ+豚骨+濃口醤油の濃厚系。見た目の黒さから「めちゃくちゃ濃い」と身構える人も多いのですが、実際には見た目ほど塩辛くなく、甘みすら感じる独特の味わいです。新福菜館の名物はヤキメシ(チャーハン)で、ラーメンと合わせて注文するのが定番。両店は定休日もずらしており(第一旭=木曜、新福菜館=水曜)、まるで示し合わせたかのように「どちらかは必ず開いている」状態を維持しています。

⚖️ 本家 第一旭 vs 新福菜館 ── 味の違い

項目 本家 第一旭 新福菜館
創業 1947年 1938年
スープの色 澄んだ琥珀色(清湯) 真っ黒(京都ブラック)
スープの構成 豚骨+生醤油 鶏ガラ+豚骨+濃口醤油
名物 チャーシューたっぷりのラーメン ラーメン+ヤキメシ(チャーハン)
近藤製麺(中太ストレート) 近藤製麺(中太ストレート)
定休日 木曜日 水曜日

おすすめのハシゴ順 ── あっさりの第一旭から攻めるのが王道

隣同士の2軒をハシゴして食べ比べるのは、京都ラーメン好きの定番行動です。おすすめの順番は「第一旭でラーメン → 新福菜館でヤキメシ」の王道コース。まず第一旭で「ラーメン」か「特製ラーメン」を食べます。清湯スープのあっさり感は胃への負担が少なく、ハシゴの1軒目に最適。次に新福菜館に移動し、ヤキメシ(チャーハン)を注文。単品でもラーメンスープが少量付いてくるので、あの真っ黒なスープの味見もできます。胃に余裕があればミニラーメンも追加で。ハシゴの注意点として、水曜日(新福菜館定休)と木曜日(第一旭定休)は片方に客が集中するため、ハシゴ目的なら避けるのが賢明です。「両方食べて比較する」までが京都ラーメン体験のフルコース──ぜひ一度は試してほしい京都の醍醐味です。

京都ラーメン3大系統 ── 第一旭は「豚骨醤油」の始祖

京都ラーメンには喜多方や博多のような画一的な定義はなく、大きく3つの系統が並立しています。第一が豚骨醤油系で、第一旭(1947年)と新福菜館(1938年)が代表。京都ラーメンの原点であり「第1世代」に位置づけられます。第二が背脂醤油系で、ますたに(1947年)やほそかわ(1985年)が代表。鶏ガラスープに豚の背脂をチャッチャと浮かべる「背脂チャッチャ系」の元祖です。第三が濃厚鶏白湯系で、天下一品(1971年)と天々有(1971年)が代表。「こってり」の代名詞として全国に知られる系統です。第一旭は新福菜館とともにこの3大系統の「原点」に位置し、のれん分け・FCで拡大した「アキラ系」のスタイルが京都ラーメン文化の基盤を築きました。

🍜 ラーメン通の豆知識
京都ラーメン3大系統はいずれも1940〜1970年代に誕生しています。興味深いのは、第一旭とますたにが同じ1947年創業であること。京都ラーメンの「豚骨醤油」と「背脂醤油」は、ほぼ同時期に別々の場所で産声を上げました。天下一品の創業は1971年で、3系統が出揃うまでに約25年。この間に京都の「ラーメン文化の土壌」が醸成されていたと言えるでしょう。

朝ラーメン文化 ── 朝6時から始める京都の一日

本家第一旭の朝ラーメン

第一旭の朝6時営業は、単なる「早朝から開いている店」ではなく、京都の朝ラーメン文化そのものを体現する存在です。創業当時の国鉄駅員に始まり、現在は夜行バスの旅行者、出張のビジネスマン、夜勤明けの常連客など、多彩な客層が早朝の第一旭を支えています。清湯スープのあっさり感は朝の胃にも優しく、「朝食にラーメンなんて重そう」というイメージを覆す食体験ができます。近年は「朝ラー」(朝ラーメン)がSNSを中心にトレンド化しており、4代目の森田氏も「ここ数年で朝のお客さまが一段と増えた」と語っています。京都観光の朝一番に第一旭で腹ごしらえをしてから清水寺や伏見稲荷に向かう──そんなスタイルが定着しつつあり、「京都の朝は第一旭から」がラーメン通の合言葉になりつつあります。

まとめ

本家 第一旭 たかばし本店は、1947年創業京都ラーメンの原点です。約80年にわたって京都駅のたもとで愛され続ける一杯の魅力を、最後に整理しましょう。

  • スープ:国産豚骨100%の清湯(チンタン)。白濁させない繊細な製法で、ニンニクや野菜の臭い消しを一切使わない潔さ。「あっさりなのにコクがある」と評される唯一無二の味わい
  • 醤油:京都伏見の老舗醸造所の無添加生醤油。時間とともに熟成が進む「生きた醤油」がスープに奥行きを与える
  • チャーシュー:2回出産を経た希少な国産雌豚「中大貫」を使用。脂肪が少なく、赤身の旨味が清湯スープと抜群の相性。赤身(赤)か脂身(白)を無料で指定可能
  • :近藤製麺所の中太ストレート。新福菜館と同じ製麺所ながら配合は異なり、清湯スープとの一体感を追求した特注麺
  • おすすめ:初訪問は「特製ラーメン」(1,230円)+ネギ大盛り(無料)。常連の王道は「特製・ネギ多め・麺硬め・赤」
  • 評価:食べログ3.74(百名店 WEST 7年連続選出)、ラーメンDB 94.5点(京都1位)、Retty 4.2
  • 行列攻略:午前9〜10時が狙い目。金土祝前の夜は避ける。食券は並ぶ前に購入
  • ハシゴ:隣の新福菜館と食べ比べが京都ラーメンの定番。「第一旭→新福菜館ヤキメシ」が王道コース
  • 歴史:1947年創業、FC最盛期100店舗超→1997年倒産→「本家」として再出発。全国に9系統が存在

あっさりに見えて奥深い。シンプルなのに飽きない。「喉元を過ぎれば、すぐに身体の一部となる」──ある常連客がそう表現した一杯は、約80年の歳月を経てなお京都駅のたもとで新しいファンを生み続けています。次の京都旅で、朝6時のたかばしに足を運んでみてください。

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