岐阜で家系ラーメンといえば、真っ先に名前が挙がるのが「稲葉家(いなばや)」だ。食べログ3.65、ラーメンデータベース93.293点という驚異的なスコアを誇り、2019年には豚骨醤油部門で全国9位にランクインした実力店。実はこの店、千葉県柏市の王道家から正式に暖簾分けを受けた王道家直系であり、東海地方で唯一その系譜を受け継ぐ存在なのだ。しかも店名の由来は岐阜城がそびえる金華山の旧名「稲葉山」——岐阜への敬意と家系の伝統が込められた一杯がここにある。
この記事では、稲葉家に行く前に知っておきたい情報を徹底的にまとめた。
- 全メニュー・価格一覧(ラーメン・トッピング・サイドメニュー)
- お好みコールの注文方法と初心者向けおすすめ設定
- 自家製燻製チャーシューの秘密と呼び戻し製法のスープ
- 店主の修行歴と王道家直系としての系譜
稲葉家とは|岐阜No.1・王道家直系の家系ラーメン店の全貌
東海地方唯一の「王道家直系」が岐阜にある理由
稲葉家は2018年8月8日、岐阜県岐阜市上土居にオープンした家系ラーメン店だ。最大の特徴は、千葉県柏市の名店「王道家」から正式に暖簾分けを受けた王道家グループの直系店であること。王道家グループは全国各地に直系店・直伝店を展開しているが、稲葉家はその中でも東海地方唯一のグループ店という特別な存在だ。開業当時、東海地方には本格的な店炊きスープの家系ラーメン店がほぼ皆無だったため、「本物の家系が東海に来た」と大きな話題を呼んだ。
食べログ3.65・ラーメンDB93点超えの実力
稲葉家の評価は数字が雄弁に物語る。食べログ3.65(「とても良い」評価)、ラーメンデータベース93.293点(レビュー74件)、Retty 4.7/5.0(オススメ度94%)と、あらゆるグルメサイトで高評価を獲得。2019年にはラーメンデータベースの豚骨醤油部門で全国9位にランクインし、岐阜県の豚骨醤油ラーメン店ランキングでは堂々の1位に君臨している。関東の名店にも引けを取らないクオリティが、岐阜の地で味わえるのだ。
店名の由来は「稲葉山」——岐阜への敬意
「稲葉家」という店名は、店主の苗字ではない。岐阜のシンボルである岐阜城がそびえる金華山の旧名称「稲葉山」から取られている。織田信長が「稲葉山城」を「岐阜城」と改名したことは有名だが、その歴史ある山の名を冠することで、岐阜の地に根を下ろす決意を示したのだ。同時に、家系ラーメンの「〇〇家」という命名規則にもぴったりとはまる。岐阜への敬意と家系の伝統が融合した、実に粋な店名だ。
「回転第一」をスローガンに掲げる行列店
稲葉家は連日行列が絶えない超人気店だ。開店前から20名以上が並ぶこともあり、週末のピーク時には40〜50名の待ち行列になることも珍しくない。店側もこの行列を強く意識しており、「回転第一」をスローガンに掲げ、効率的な提供を心掛けている。席数はカウンター12席+テーブル8席の計20席。待ち時間の長さは人気の裏返しであり、それだけの価値がある一杯が待っているということだ。
SUSURU TVや各メディアでも紹介された注目店
稲葉家はメディアへの露出も多い。人気ラーメンYouTuberSUSURU TVの第1396回で紹介されたほか、岐阜のケーブルテレビCCN「ぎふわっか」でも特集が組まれた。Yahoo!ニュースでは「地方の家系ラーメンの大躍進が止まらない」という記事の象徴的存在として取り上げられ、全国のラーメンファンにその名を知らしめた。ラーメン専門メディアのラーメンwalkerにも掲載されており、東海を代表する家系ラーメン店としての地位を確立している。
稲葉家の全メニュー・価格一覧|ラーメンからサイドメニューまで完全網羅
ラーメンメニューと価格
稲葉家のメニューは豚骨醤油ラーメン一本勝負。つけ麺や味噌ラーメンはなく、家系の王道を貫くストロングスタイルだ。メインとなる「ラーメン(並)」は880〜900円(時期により変動)。ここにトッピングが追加された「味玉ラーメン」が950円、全部のせの「特製ラーメン」が1,100〜1,260円、肉を増量した「肉増しラーメン」が940円というラインナップだ。
| メニュー | 価格(税込・目安) |
|---|---|
| ラーメン(並) | 880〜900円 |
| 味玉ラーメン(並) | 950円 |
| 肉増しラーメン | 940円 |
| 特製ラーメン(並) | 1,100〜1,260円 |
| 麺中盛(240g) | +100円 |
| 麺半玉 | 味玉サービス |
稲葉家には大盛りの設定がなく、中盛(240g)までとなっている。逆に少食の方や女性には嬉しいサービスとして、麺を半玉にすると味玉が無料で付いてくる。食べ切れるか不安な方は麺半玉を選べば、味玉付きで満足度の高い一杯が楽しめる。
麺量の特徴と「中盛」システム
稲葉家の麺量は並盛が標準で、増量は中盛(240g)の+100円のみ。大盛りや特盛りの設定はない。これは「最も美味しい状態で食べてほしい」という店主のこだわりの表れだ。麺が多すぎるとスープが冷めてしまい、味のバランスが崩れる。中盛までに制限することで、最後の一口までベストな状態を保てるよう設計されている。もっと食べたい場合はライスを追加して、スープと一緒に楽しむのが稲葉家流だ。
特製ラーメンの圧倒的な「全のせ」感
特製ラーメンは稲葉家の最上位メニューであり、レビューでも最も人気の高い一杯だ。味玉、チャーシュー増量、ほうれん草、海苔がすべて盛られた「全のせ」仕様で、ビジュアルの迫力が段違い。特に自家製燻製チャーシューが複数枚乗る贅沢さは、チャーシュー好きにはたまらない。単品でトッピングを追加するよりもお得な価格設定になっているため、初回訪問でも特製を注文して稲葉家の全力を体験するのがおすすめだ。
ライスとサイドメニューの充実度
稲葉家のサイドメニューは家系ラーメン店としては充実している。ライスは小(100円)・中(140円)・大(180円)の3サイズ展開。さらに、チャーシューまぶし丼(220〜240円)や豚丼(320〜340円)といったミニ丼も用意されている。セットメニューとして「ラーメン+ミニ丼セット」(870円〜)や「ラーメンライスセット」(1,060円)もあり、お腹いっぱい食べたい人にも対応している。ライスセットを注文すると海苔がサービスで付いてくるのも嬉しいポイントだ。
平日夜限定の「豚丼」は隠れた名物
稲葉家の隠れた名物が「豚丼」だ。平日夜限定で提供され、休日の昼は限定数のみ販売される。この豚丼は、かつて岐阜・芥見にあった人気店「かづ家」から受け継いだレシピとされており、レビュアーからは「スパイスとクセの塊のようなストロング丼」と表現されるほどのインパクト。スパイシーな味付けとガツンとした肉の旨味が詰まった一品で、ラーメンとの組み合わせは「悪魔的な旨さ」と評される。提供日に訪問するなら必ず注文したいメニューだ。
トッピング完全ガイド|燻製チャーシューから黒バラのりまで全種解説
稲葉家のトッピング全一覧と価格
稲葉家のトッピングは種類が豊富で、家系ラーメンの定番から稲葉家ならではの個性的なものまで揃っている。特筆すべきはチャーシューだけで3種類用意されている点だ。「燻製チャーシュー」「肩ロース煮豚」「炙り豚バラチャーシュー」という3つの異なる部位と調理法のチャーシューを、好みで選べるのは稲葉家ならではの贅沢だ。
| トッピング | 価格 |
|---|---|
| 燻製チャーシュー(1枚) | 80円 |
| 肩ロース煮豚 | 120円 |
| 炙り豚バラチャーシュー | 100円 |
| 味付け玉子 | 100円 |
| のり5枚 | 100円 |
| 黒バラのり | 100円 |
| ほうれん草増し | 120円 |
| きくらげ | 70円 |
| メンマ | 100円 |
| 茎わかめ | 110円 |
| キャベツ | 50円 |
| 青ネギ | 130円 |
※価格は時期により変動する可能性があります。最新価格は店頭の券売機でご確認ください。
3種のチャーシューを食べ比べる贅沢
稲葉家最大のこだわりであるチャーシューは、なんと3種類が用意されている。まず稲葉家の看板ともいえる「燻製チャーシュー」(80円/枚)は、豚モモ肉を特注の燻製窯で直火焼きした逸品。スモーキーな香りが鼻を抜け、噛むほどに肉の旨味があふれ出す。口コミでは「今まで食べた家系のチャーシューで一番」という最高評価も。次に「肩ロース煮豚」(120円)はしっとりとした肉質と脂の甘みが特徴の王道スタイル。「炙り豚バラチャーシュー」(100円)は炙りの香ばしさと豚バラの濃厚な脂が口の中でとろける一品だ。
「黒バラのり」と「海苔5枚」の使い分け
海苔のトッピングも2種類ある。「のり5枚」(100円)は家系定番の大判海苔が5枚追加されるもので、ライスと一緒に海苔巻きを楽しむ人向け。一方の「黒バラのり」(100円)は、細かく刻まれた黒のりで、スープの上に散らすようにかけて食べるスタイル。磯の風味がスープ全体に広がり、通常の海苔とはまた違った味変が楽しめる。海苔好きなら両方追加して、食べ方のバリエーションを広げるのも面白い。
きくらげ・メンマ・茎わかめの食感トッピング
濃厚なスープに合わせる食感系トッピングも充実している。きくらげ(70円)はコリコリとした食感が麺とスープの間にアクセントを加え、メンマ(100円)はシャキシャキとした歯応えが箸休めになる。茎わかめ(110円)はさっぱりとした味わいで、濃厚なスープをリフレッシュしてくれる。いずれもリーズナブルな価格で追加できるので、気になるものは気軽に試してみよう。
コスパ最強は「キャベツ50円」
稲葉家のトッピングの中で最も安いのがキャベツ(50円)だ。家系ラーメンにキャベツ?と思うかもしれないが、これが意外と合う。シャキシャキとした食感が濃厚な豚骨醤油スープと好相性で、ヘルシーさもプラスされる。女性やあっさり食べたい人に人気のトッピングで、わずか50円で満足度が上がるコスパ最強の選択肢だ。ほうれん草(120円)と合わせて野菜マシにするのもおすすめ。
「お好みコール」と注文の流れ|初めてでも迷わない完全マニュアル
券売機で食券を購入する流れ
稲葉家の注文は券売機での食券制だ。入店したらまず券売機で食券を購入する。支払いは現金のみで、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済はいずれも使えないので注意が必要だ。食券を購入したら着席し、スタッフに食券を渡す際に「お好みコール」を伝える。初めてだと緊張するかもしれないが、決まった3項目を伝えるだけなので心配は無用だ。
お好みコール3項目を徹底解説
稲葉家のお好みコールは以下の3項目で構成されている。食券を渡す際にスタッフに伝えよう。
| 項目 | 選択肢 |
|---|---|
| ① 麺の硬さ | かため / ふつう / やわめ |
| ② 味の濃さ | 濃いめ / ふつう / 薄め |
| ③ 油の量 | 多め / ふつう / 少なめ |
初めての人は「全部ふつう」が正解
初訪問なら迷わず「全部ふつう」で注文しよう。これを「オールデフォルト」と呼び、店が想定するベストバランスの一杯が味わえる。稲葉家のスープは「ふつう」でも醤油のキレがしっかり効いた濃厚な味わいなので、初回はデフォルトで全体像を把握し、2回目以降に好みを調整するのが賢い楽しみ方だ。常連に人気の設定は「麺かため・味ふつう・油ふつう」で、麺のコシが際立ちスープとの絡みが最高になる。
「濃いめ」の威力と味変テクニック
2回目以降に試したいのが「味濃いめ」だ。醤油ダレの量が増え、王道家直系らしいキレッキレの醤油感が前面に出てくる。ただし、稲葉家の「ふつう」は一般的なラーメン店の「濃いめ」に匹敵する濃さがあるため、初回から「濃いめ」を選ぶと関西・東海の味覚には衝撃的かもしれない。味変には卓上のおろし生姜がおすすめ。スープに溶かすと爽やかな風味が加わり、濃厚なスープがリセットされて最後まで飽きずに食べ進められる。
卓上調味料のラインナップと活用法
稲葉家の卓上には、味変のための調味料が9種類ずらりと並んでいる。にんにく(無臭にんにくも用意)、おろし生姜、豆板醤、しば漬け、ラーメンタレ(醤油)、ラーメン酢、ごま、胡椒、マヨネーズ。特に人気なのはにんにくライス——ライスの上ににんにくを乗せ、マヨネーズをかけて食べるスタイルで、レビュアーから「悪魔的な旨さ」と絶賛されている。無臭にんにくが用意されているのは、匂いを気にする方への配慮だ。
スープ・麺・チャーシューの実力|稲葉家のラーメンを徹底分析
「呼び戻し製法」で炊き続ける濃厚スープ
稲葉家のスープは「呼び戻し製法」と呼ばれる伝統的な手法で作られている。これは前日のスープを捨てずに残し、そこに新たな豚骨と鶏ガラを投入して毎日炊き続ける製法だ。新しい骨を「呼び戻す」ように継ぎ足すことで、スープの旨味が日々凝縮されていく。そのため、来店する時間帯や日によって微妙に濃厚さが変わるという面白さもある。ベースの豚骨×鶏ガラのダブルスープに、キレのある醤油ダレを合わせ、表面には鶏油(チーユ)がたっぷりと浮かぶ。口に含むと、まず鶏油の甘い香りが広がり、続いて醤油のキレと豚骨のコクが押し寄せてくる。
王道家本店との味の違い
同じ王道家直系でありながら、稲葉家のスープには独自の個性がある。レビュアーの比較では「王道家本店が醤油のパンチを前面に出すのに対し、稲葉家は旨みが最初に来る感じ」と評されることが多い。岐阜の水と食材を使って炊くことで、「本場関東のものとは全く違うテイスト」が自然と生まれているのだ。脂っこくなく口当たりがまろやかでありながら、飲み干したくなる中毒性がある。ライスとの相性も抜群で、「身体に染み込む」と表現される味わいは、東海の人の舌に寄り添った仕上がりだ。
王道家の自家製麺を使用した中太ストレート
稲葉家の麺は王道家の自家製麺を使用している。平打ちの中太ストレート麺で、やや短めにカットされているのが特徴。「つるっとした肌」と「もっちりとした歯応え」が共存し、ゆるやかに縮れた形状がスープをしっかりと絡め取る。「かため」で注文するとコシが一段と際立ち、スープとの一体感が最高潮に達する。王道家が1,000万円以上をかけて開発した自家製麺の技術が、岐阜の地でもしっかりと活きている。
特注窯で焼き上げる自家製燻製チャーシュー
稲葉家の最大の武器とも言えるのが、自家製の燻製チャーシューだ。豚モモ肉を特注の燻製窯で直火焼きして仕上げる「焼豚」スタイルで、一般的な家系ラーメンの煮豚とは一線を画す。肉厚に縦長くカットされたチャーシューは、噛むほどにスモーキーな燻製香と肉の旨味が広がる。「ステーキのような食べ応え」と表現されるほど肉々しく、酸化臭が全くないクリーンな味わいだ。レビューでは「全国トップクラスの品質」「これを食べるためだけに岐阜に行く価値がある」と絶賛されている。
家系の「三種の神器」と稲葉家流のアレンジ
家系ラーメンの基本トッピングであるチャーシュー・ほうれん草・海苔は、稲葉家でももちろん標準装備。ただし稲葉家流のアレンジとして、チャーシューが煮豚ではなく燻製である点、そして3種類のチャーシューから選べる点が大きな違いだ。ほうれん草はたっぷりと盛られ、海苔は大判のものがスープに浸かるように立てて提供される。スープを吸った海苔でライスを巻く「海苔巻きライス」は、稲葉家でも家系の伝統としてしっかり楽しめる。
店主の経歴|麺屋白神→王道家→王道之印を経て岐阜で独立
岐阜県関市「麺屋白神」での修行時代
稲葉家の店主・林氏は、ラーメン職人としてのキャリアを岐阜県関市の名店「麺屋白神」からスタートさせた。麺屋白神は岐阜のラーメンシーンで高い評価を得ている実力店であり、林氏はここでラーメン作りの基礎を叩き込まれた。しかし、林氏の中には「本物の家系ラーメンを東海に持ち込みたい」という想いが芽生えていた。岐阜にはまだ本格的な家系ラーメン店がほとんどなく、関東まで足を運ばなければ本物の味に出会えない時代だった。
千葉・柏の王道家と横浜・王道之印での修行
家系ラーメンへの情熱を胸に、林氏は千葉県柏市の「王道家」へ修行に向かった。王道家のスープの炊き方、醤油ダレの配合、鶏油の仕込み方——家系の根幹をなす技術を清水裕正のもとで学んだ。さらに、清水の兄弟子にあたる人物が営む横浜の「王道之印」でも修行を重ね、異なるアプローチの家系の技術も吸収した。複数の師匠から家系の真髄を学ぶことで、林氏は単なるコピーではない独自の家系ラーメンを生み出す力を身につけたのだ。
清水裕正からの暖簾分けと独立
2018年8月8日、林氏は王道家・清水裕正から正式に暖簾分けの許可を得て、岐阜に稲葉家をオープンした。王道家グループとして東海地方初の出店であり、清水が東海の地に家系の火を灯す人材として林氏を信任した証でもある。オープン初日から駐車場が満車になるほどの盛況ぶりで、家系ラーメンに飢えていた東海のラーメンファンの期待がいかに大きかったかがうかがえる。
「修行生を採れ」——清水裕正からの新たな指令
稲葉家が軌道に乗った後、王道家の清水裕正から新たな指令が下された。「これからは修行生を採れ」——つまり、稲葉家で次の世代の家系職人を育てろということだ。この言葉は、清水が林氏の技術と人柄を高く評価し、弟子の育成を任せられるレベルに達したと認めた証でもある。王道家の系譜は「吉村家→王道家→各直系店」と受け継がれてきたが、稲葉家がさらにその先の世代を育てることで、家系の血脈はさらに広がっていく可能性がある。
Instagramに「oudounosirusi」を掲げる矜持
稲葉家のInstagramアカウント名は「@inabaya.oudounosirusi」。「王道之印(おうどうのしるし)」をアカウント名に含めていることからも、王道家の系譜への誇りが読み取れる。X(旧Twitter)のアカウント名も「@oudounosirusi」で、SNS上でも王道家直系であることを堂々と掲げている。これは単なるブランディングではなく、「王道家から受け継いだ味を裏切らない」という店主の覚悟の表れだ。
王道家直系の系譜|吉村家から稲葉家へ受け継がれた家系の血統
家系ラーメンの原点・吉村家と王道家の関係
稲葉家の味のルーツをたどると、1974年に吉村実が横浜で創業した「吉村家」に行き着く。吉村家で修行した清水裕正が2003年に千葉県柏市で王道家を開業し、2011年に自家製麺への切り替えを機に吉村家から破門。以後、独自の路線で全国に直系店・直伝店を展開し、家系ラーメン界で最も影響力のあるグループの一つに成長した。稲葉家はこの王道家から正式に暖簾分けを受けた直系店(グループ店)であり、その系譜は「吉村家→王道家→稲葉家」という正統な血脈だ。
王道家グループにおける稲葉家の位置づけ
王道家公式サイトの店舗一覧では、稲葉家は「グループ店」に分類されている。グループ店とは、王道家で正式に修行を積み、清水裕正から独立の許可を得た店舗のこと。柏の王道家本店を頂点に、直営店として神道家やIEKEI TOKYOが展開され、グループ店として横浜のとらきち家、栃木のたつ家、千葉のクックら、岐阜の稲葉家などが名を連ねる。稲葉家はその中で最も西に位置するグループ店であり、東海・中部地方への家系ラーメンの橋頭保となっている。
「直系」と「直伝」の違い
王道家グループには「直系店(グループ店)」と「直伝店(プロデュース店)」の2つの分類がある。直系店は王道家で修行を積んだ店主が独立開業した店舗で、味の再現度が高い。一方、直伝店(プロデュース店)はとの丸家のようにプロデュース契約で運営される店舗だ。稲葉家は正真正銘の直系店であり、林氏が王道家と王道之印で実際に修行した経験が、その一杯一杯に反映されている。
- 1974年:吉村実が横浜に吉村家を創業。家系ラーメンの歴史が始まる
- 2003年:清水裕正が千葉県柏市に王道家をオープン(吉村家直系)
- 2011年:王道家が自家製麺に切り替え、吉村家から破門
- 2018年8月:林氏が岐阜に稲葉家をオープン(王道家直系として東海初出店)
- 2019年:ラーメンDB豚骨醤油部門 全国9位にランクイン
東海地方で「本物の家系」が希少な理由
名古屋を中心とする東海地方には町田商店や壱角家などのチェーン系家系ラーメン店は多数存在するが、吉村家や王道家の系譜に連なる「本物の家系」は極めて少ない。その理由は、家系ラーメンの発祥地・横浜から地理的に遠く、修行先へのアクセスが容易でないことが大きい。稲葉家は東海地方でこの壁を打ち破った先駆者であり、「本場の味を知りたければ稲葉家に行け」と言われるほどの存在感を放っている。
岐阜のラーメンシーンにおける稲葉家の存在意義
岐阜のラーメン文化は台湾ラーメンやベトコンラーメンなど、独自のご当地系が強い土地柄だ。その中に家系という「横浜の文化」を持ち込んだ稲葉家は、当初は異端の存在だったかもしれない。しかし開業からわずか数年で岐阜県の豚骨醤油ラーメン1位を獲得し、全国ランキングでもトップ10入りを果たしたことで、稲葉家は岐阜のラーメンシーンに新たなジャンルを確立した。今では岐阜市民にとっても「家系なら稲葉家」が合言葉になっている。

営業時間・アクセス・行列攻略法|稲葉家に行く前に知っておくこと
所在地と駐車場情報
稲葉家は岐阜県岐阜市上土居1丁目5-2 プラズマビル1階に位置する。岐阜環状線沿い、「岐阜北警察署前」交差点から西へ約30mの場所だ。駐車場はテナント共同で35〜40台分が用意されており、車での来店が基本。JR岐阜駅からは車で約15分の距離にあり、公共交通機関でのアクセスは不便なため、車での来店が強く推奨される。バスを利用する場合は岐阜バス「北警察署前」バス停下車、徒歩約1分だ。
| 住所 | 岐阜県岐阜市上土居1-5-2 プラズマビル1F |
| 電話 | 058-233-8881 |
| 営業時間 | 火〜木・日 11:00-14:00・18:00-21:00/金・土 11:00-14:00・18:00-22:00 |
| 定休日 | 月曜・第4火曜(木曜は夜営業休み) |
| 席数 | 20席(カウンター12席+テーブル8席) |
| 支払い | 現金のみ(券売機制) |
| 駐車場 | テナント共同 35〜40台 |
| 開業日 | 2018年8月8日 |
営業時間と定休日の注意点
稲葉家の営業時間は曜日によって異なるので要注意だ。火〜木曜日と日曜日は昼11:00〜14:00、夜18:00〜21:00の二部制。ただし木曜日は夜営業が休みなので、木曜夜に訪問する場合は注意が必要だ。金・土曜日は夜の閉店が22:00まで延長される。定休日は毎週月曜日と第4火曜日で、祝日であっても休みとなる。ラストオーダーは昼13:50、夜20:50(日曜は20:30との情報もあり)。スープ切れで早仕舞いすることもあるため、確実に食べたいなら早めの来店を。
行列の現状と待ち時間の目安
稲葉家は岐阜屈指の行列店だ。特に週末は覚悟が必要で、開店前の10時頃から20名以上が並び始め、開店時には50名近い行列になることもある。昼のピーク(12:00〜13:00)は外待ち常態化で、30〜40分の待ち時間が目安となる。夜の部も油断できず、18時の開店前に36名待ちという報告もある。
平日の13時以降が比較的空いている狙い目。この時間帯なら外待ち3名程度に落ち着くことも。週末に行くなら開店30分前(10:30頃)に到着し、1巡目に入ることを狙おう。夜の部は開店直後の18時がベスト。くれぐれも現金を多めに持参するのを忘れずに。
車で来店する際のポイント
稲葉家は岐阜環状線沿いに位置しており、車でのアクセスが基本となる。JR岐阜駅からは車で約15分、名神高速の岐阜羽島ICからは約30分、東海北陸道の関ICからは約20分が目安だ。駐車場はテナント共同で35〜40台あるため、行列があっても駐車場が足りなくなることは比較的少ない。ただし混雑時は近隣のコインパーキングを利用する必要が出てくることもある。完全禁煙・ベビーカー入店不可なので、小さな子供連れの場合は事前に確認を。
テイクアウトにも対応
稲葉家はテイクアウトにも対応している。行列に並ぶ時間がない方や、自宅でゆっくり味わいたい方にはありがたいサービスだ。ただし、家系ラーメンは出来たてが最も美味しいジャンルなので、可能な限り店内で食べることをおすすめする。熱々のスープに浮かぶ鶏油の香り、焼き上がったばかりの燻製チャーシューの食感は、店でしか体験できないものだ。
まとめ:稲葉家は岐阜で唯一の「王道家の味」を体感できる直系店
稲葉家のメニューと魅力を、最後に振り返ろう。
- 王道家直系の暖簾分け店。東海地方で唯一の王道家グループ
- メインメニューは豚骨醤油ラーメン一本勝負。並880〜900円、特製1,100〜1,260円
- 3種のチャーシュー(燻製・肩ロース煮豚・炙り豚バラ)から選べる贅沢
- 麺は大盛りなし、中盛(240g)+100円まで。麺半玉にすると味玉サービス
- お好みコールは3項目(麺の硬さ・味の濃さ・油の量)。初回は「全部ふつう」推奨
- 呼び戻し製法のスープと特注窯の燻製チャーシューが最大の武器
- 食べログ3.65、ラーメンDB93.293点、豚骨醤油部門全国9位の実力
- 平日夜限定の豚丼は知る人ぞ知る隠れた名物
吉村家→王道家→稲葉家と受け継がれてきた家系の系譜。その正統な一杯が、岐阜の地で毎日炊き上げられている。東海地方で「本物の家系ラーメンとは何か」を知りたければ、答えは一つ——岐阜市上土居の稲葉家に行くことだ。
現金を多めに握りしめて、開店30分前に駐車場に到着することをおすすめする。

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